算定基礎届で保険料節約できる?
さて今回は、年に一度の行事、
社会保険『算定基礎届』についてふれてみたいと思います。
算定基礎届とは?
会社を設立すると、
社会保険 (健康保険・厚生年金) に加入が必要となります。
被保険者は役員・正社員だけでなく、
長時間勤務のパートの方も対象です。
そして社会保険料は、個人の給料総額が
どの等級 (1~50等級) に属するか
によって決まります。
しかし、
何年間も昇給し続けても
社会保険料がそのままだったり、
逆に給与が下がっても
以前のままの社会保険料を払っていたら、
他の人たちとの間で不公平が生じることになります。
そこで、給与の実態と保険料を合わせるために、
「毎年4~6月の支払ったお給料を教えてね」
というものです。
そして、この届出によって
向こう一年間の保険料が決定します。
しかしながら、
給料が年々上がると保険料も年々上がっていき、
労使ともに負担が増えていくことになります。
では、保険料負担は節約することはできるのでしょうか?
給料が増えてもなるべく保険料を上げないようにするには?
給料を上げると保険料も上がりますが、
少しずつ保険料を節約する方法は
いくつかあります。
① 昇給は算定基礎対象の4~6月を避けて、7月にずらす
⇒最初にずらした年度だけですが、
1年間は引き延ばしが可能です。
② 昇給額を同じ等級の範囲内におさめる
⇒例えば、標準報酬月額30万円の人は
290,000~309,999円の間の給料の人が
該当します。
300,000円の人が昇給する際、
10,000円でなく、9,999円にすると
保険料は上がりません。
③ 仕事をうまく調整し、4~6月の残業を減らす
⇒算定基礎届には残業代も含めます。
仕事をうまく調整できるのであれば
有効な手段です。
④ 功労金など手当を支給するときは、4~6月を避けて支給する
⇒功労金制度など、業績に応じた手当を
支給されている場合は有効な手段です。
算定基礎以外で届出が必要となる場合
算定基礎届は年一回ですが、
それ以外にも届出が必要なときがあるため、
注意が必要です。
① 健康保険・厚生年金 資格取得届
⇒新しく従業員を雇用したときに必要です。
予定の給与総額をもって届出ます
② 健康保険・厚生年金 資格喪失届
⇒従業員の方が退職した際に必要です。
③ 月額変更届(随時改定)
⇒基本給や家族手当など、
毎月固定で支給する金額が変更となり、
等級が2段階以上変わる人
※給与が上がったときだけでなく、下がったときも必要です。
※正社員だけでなく、パートの時給が変わった場合も対象となります。
※変更のあった月より数えて、4ヶ月目から保険料が変更となります。
いかがでしたでしょうか?
これらの手続きを把握しておけば、
昇給額や支給の方法、タイミングを
うまく調整することにより、
社会保険料を節約することが可能です。
社会保険料も従業員数が多ければ多いほど、
少しの節約が大きな効果を生みますので、
一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?
香川県高松市の税理士・会計事務所
フロンティア総合会計事務所